神話とか、古代史とか。

日本をはじめあちこちの神話や古代史、古代文化について、考えたこと、わかったこと、考えたけどわからないことなど。

はじめに

基本的には、過去に発表した論文などをPDF化して、ひっそり公開する場所ということにしたい。でもこれらはいかんせん論文調で(論文だから仕方ない気もするが)、いま見ると多少読みにくい。 これだとどうも不親切なので、ブログの本文であれこれと、解説も…

2017年以降の論文

「はじめに」に追記するつもりでいたが、1つの記事があまり長くなるのはなんか嫌なので、別立てにしてみた。 2017年の「ワカヒコ - タカヒコネ神話と昔話」「ウケヒと『競争的単性生殖』」に続き、今年は「『物言わぬ子』と異類婿」「東と西の『影鰐型』説話…

「浪漫紀行・地球の贈り物」

ツイッターなどにも書いたが(ここ参照)、メスカルティタン*1(図1)の存在は、TBS「浪漫紀行・地球の贈り物」という番組(1994年8月31日放送分)で知った。これを調べていてわかったが、1990年代のTV番組は、ネット検索じゃあまり見つからない。現在継続中…

新版・世界の七不思議 12 - ここで7つに絞ってみる

クラスAからCまでの「七不思議」候補をおさらいしておくと、こんな感じである(↓)。 A. 第2~3回① ナスカの地上絵(ペルー)② イースター島(チリ)③ マチュピチュ(ペルー)④ ストーンヘンジ(イギリス)⑤ ギザのピラミッド(エジプト)⑥ ボロブドゥール(…

新版・世界の七不思議 11 - メスカルティタンとグラストンベリ=トール

「世界の七不思議」候補のうち、クラスC*1の紹介もこれで終わりである。最後は「⑨メスカルティタン(メキシコ)」と「⑩グラストンベリ=トール(イギリス)」の話。 ⑨ メスカルティタン(メキシコ) 画像URL謎度: ☆☆☆☆☆びっくり度: ☆☆☆☆☆古さ: ?知名度:…

新版・世界の七不思議 10 - オルメカ巨石人頭像と飛鳥の石造物

「世界の七不思議」候補のうち、クラスC*1の紹介もこれで4回目だ。今回は「⑦オルメカの巨石人頭像(メキシコ)」と、「⑧飛鳥の石造物(日本)」を紹介する。 ⑦ オルメカの巨石人頭像(メキシコ) 画像URL謎度: ☆☆☆☆☆びっくり度: ☆☆☆☆☆古さ: ☆☆☆☆知名度: …

新版・世界の七不思議 9 - 万里の長城と三星堆

前回の兵馬俑に続き、中国の遺跡を2つ紹介する。 ⑤ 万里の長城(中国) 画像URL謎度: ☆びっくり度: ☆☆☆☆☆古さ: ☆☆☆知名度: ☆☆☆☆☆ 中国(中華文明圏)は長いこと、北から侵入してくる遊牧騎馬民族に悩まされてきた。で、これを防ぐためのバリケードが万里…

学会で発表する予定

12月9日、「比較民俗学会」の大会で発表することになってる。去年は松阪市(三重県)だったが、今回は名古屋。 お題は「ヤマトタケルと犬」。たまたまだが、名古屋と言えば熱田神宮もあるし、タケルとは何かと縁が深い。

新版・世界の七不思議 8 - サン=アグスティンと兵馬俑

クラスCの第2回目は、「③サン=アグスティン(コロンビア)」と「④兵馬俑(中国)」の2つ*1。 ③ サン=アグスティン(コロンビア) 画像URL謎度: ☆☆☆☆☆びっくり度: ☆☆☆☆古さ: ☆☆知名度: ☆ 1970年代にNHKで放送された「未来への遺産」ではとり上げられて…

新版・世界の七不思議 7 - クノッソスとペトラ

「世界の七不思議」の候補を挙げてくのも、クラスBまで終わったので、ここからはクラスCである。クラスA・Bの間には、実質的な差はなかった。でもクラスCについては、それぞれ「七不思議」候補として、ちょっと推しにくい理由がある。でも捨てがたい魅力もあ…

新版・世界の七不思議 6 - エル=ミラドールからネムルト=ダウ

今回とり上げる「世界の七不思議」候補は、「⑥エル=ミラドール」(グアテマラ)と「⑦カルナック列石」(フランス)、「⑧ネムルト=ダウ」(トルコ)の3つ。クラスAの10候補に続き、クラスBの8つもこれで終了だ*1。 ⑥ エル=ミラドール(グアテマラ) 画像UR…

新版・世界の七不思議 5 - ナン=マドールとギョベクリ=テペ

「七不思議」候補(クラスB)*1の第2弾は、④のナン=マドールから(第1弾はここ)。 ④ ナン=マドール(ミクロネシア連邦) 画像URL謎度: ☆☆☆☆☆びっくり度: ☆☆☆☆☆古さ: ☆☆知名度: ☆☆☆ ミクロネシアの島の1つ、ポンペイ島(ポナペ島とも)の遺跡である。…

新版・世界の七不思議 4 - モヘンジョ=ダロとか、カッパドキアとか

「世界の七不思議」候補のうち、ここからは「クラスB」を紹介していこう。ちなみにクラスBと言っても、「クラスA(第2回と3回参照)よりもしかして、異論が出やすいか?」 くらいの話で、遺跡としての質が劣るとかそういうアレではない。 クラスBの顔ぶれは…

新版・世界の七不思議 3 - ボロブドゥールからティワナクまで

「七不思議」候補(クラスA)*1のうち、後半は⑥のボロブドゥールから(前半はここ)。 ⑥ ボロブドゥール(インドネシア) 画像URL謎度: ☆☆☆びっくり度: ☆☆☆☆☆古さ: ☆☆知名度: ☆☆☆☆ ジャワ島の仏教遺跡である。いまはボロブドゥールだが、昔はよく「ボロ…

新版・世界の七不思議 2 - まずは候補を挙げてみる

ここからしばらく、「七不思議」の候補を並べて品評してみたい。数が多いので、一応「クラスA・B・C」の3つに分類した。 で、まずクラスAの顔ぶれは次の通りである。 ① ナスカの地上絵(ペルー)② イースター島(チリ)③ マチュピチュ(ペルー)④ ストー…

「東と西の『影鰐型』説話」、公開中

ここにも書いたが、この春『説話・伝承学』26号に、「東と西の『影鰐型』説話」という論文を発表した。「2017年以降の論文」ページに置いとくので、興味のある人は(ない人も)ダウンロードしてもらえると、精神衛生上助かる。 「影鰐型」とは、たとえばこん…

新版・世界の七不思議 1 - これでいいのか、七不思議

ここらでちょっと趣向を変えて、「新版・世界の七不思議」というのを考えてみたい。要は、これまで発表された「世界の七不思議」にいろいろ不満があるので、自分的に納得いくものを選定したいという話だ。あるいは世界の遺跡について、「ああでもない、こう…

スサノヲとナマハゲ 17 (終) - 鳥と獣と穀物霊

図1 山形のカセ鳥*1 図2 佐賀のカセドリ*2 前回、「カセドリ」と呼ばれる来訪神たち(図1・2)が、鳥とみなされてることに触れた。最後にもう少し、この件について補足しておこう。ここへ来て、スサノヲとあまり関係ない話題でしめるのもちょっとどうかと思…

スサノヲとナマハゲ 16 - ほかにはこんな来訪神

スサノヲと植物仮装来訪神についてはあらかた語り終えたので、多分次あたりで終わりである。日本をはじめ、あちこちの仮面・仮装来訪神たちに登場願ったが、もちろんこれで全部ということはない。せっかくだから、ここまでにとり上げきれなかった来訪神たち…

「縄文―1万年の美の鼓動」展に行ってきた

東京国立博物館(平成館)で9月2日まで、特別展「縄文―1万年の美の鼓動」をやっている。東京に用があったついでに見てきたので、その感想を。ちなみにこの展示は巡回しないから、東京行かないと見られない。 さすが国立と言うべきか、日本中から容赦なく、優…

スサノヲとナマハゲ 15 - 動物仮装の来訪神

ここまでは、植物に仮装する来訪神ばかりとり上げてきた。でも来訪神の中には、動物に仮装するタイプも少なくないのである。 図1 熊男(右は「苔男」)*1 図2 ギッゲラー*2 図3 クケリ*3 たとえばオーストリアのブロッホツィーエン(丸太引き)という祭には…

スサノヲとナマハゲ 14 - スサノヲの2つの顔

「スサノヲ=植物仮装来訪神」説に有利な神話として、第7回から11回までに、以下の物語をとり上げてきた。 1. スサノヲ本人が植物と、直接結びついている話(第7回)・スサノヲが木をつくる話――『日本書紀』・草を束ね、蓑と笠にする話――『日本書紀』・木の…

スサノヲとナマハゲ 13 - 大歳の客

蘇民将来伝説(第11回)や「厄病神」(前回)は要するに、「神々が人里を訪ねたとき、冷たくした者は罰を受け、もてなした者は(それなりに)報われる」 という話である。日本の昔話研究では、この手の物語は「大歳の客」と呼ばれている。たとえば沖縄本島に…

スサノヲとナマハゲ 12 - 病は「木」から

蘇民将来伝説(前回参照)のスサノヲは、茅の輪を着けてない人間を、ひと晩で全滅させている。どうやって殺したかは書いてないが、すぐ後に、「疫病が発生したときは、茅の輪を着けろ」 とのセリフがある。ということはこのときも、疫病でさくさく殺したのだ…

スサノヲとナマハゲ 11 - 蘇民将来の話

「『スサノヲ=植物仮装来訪神』説に有利な神話を挙げていこう」シリーズもこれで5回目だ。最後にとり上げるのは、「蘇民将来」の神話である。これだけは、『古事記』『日本書紀』や『出雲国風土記』じゃなくて、『備後国風土記』の逸文に出てくる。 ちなみ…

学会発表と、論文の件

ここで予告した通り、説話・伝承学会の春季大会で発表してきた。「兄妹始祖の『物めぐり』」という例のアレだ。 始祖神話には、兄妹で結婚する話がちょいちょいある(洪水で人類があらかた滅んでるから、仕方ないのだが)。そういう兄妹は結婚前に、柱とかの…

スサノヲとナマハゲ 10 - 女神を殺す男たち

久々にスサノヲの話である。今回とり上げるのは、スサノヲによる「オホゲツヒメ殺し」の物語だ。『古事記』によれば、事件の概要はこんな(↓)感じ。 天界から追放されたスサノヲは、オホゲツヒメという女神に「喰い物くれ」と言った。オホゲツヒメは、鼻の…

また発表とかする予定

来月、「説話・伝承学会」の春季大会で発表する予定になっている。タイトルは、「兄妹始祖の『物めぐり』」という。天理大学でやるそうだが、行ったことはない。割と久々の関西だ。 あと、また論文を発表した。「『物言わぬ子』と異類婿」というタイトルで、…

スサノヲとナマハゲ 9 - 「底」と「根」の国

「『スサノヲ=植物仮装来訪神』説に有利な神話を挙げていく」シリーズ第3弾は、「スサノヲと根の国との結びつきを物語る神話」だ。ちなみに「根の国」とは、要するに死後の世界である。「その根の国と、植物仮装来訪神になんの関係が?」 という点は、おい…

スサノヲとナマハゲ 8 - 種まく子ら

前回に続き、「スサノヲ=植物仮装来訪神」説に有利だなぁ、と思える神話を挙げていこうという話である。今回はその第2弾、「スサノヲと植物との結びつきが、間接的にうかがえる」神話特集だ。要するに、スサノヲの関係者(特に子供たち)には、植物神・穀物…