はじめに
基本的には、過去に発表した論文などをPDF化して、ひっそり公開する場所ということにしたい。でもこれらはいかんせん論文調で(論文だから仕方ない気もするが)、いま見ると多少読みにくい。
これだとどうも不親切なので、ブログの本文であれこれと、解説もするつもりでいる。まだ発表してないことも、多分そのうちに書くだろう。
現在公開中のファイルは以下の通り。※2017年以降の論文は、こちらから。
1. 吊手土器の象徴性(上) PDF
(大和書房『東アジアの古代文化』96号 1998年)
2. 吊手土器の象徴性(下) PDF
(大和書房『東アジアの古代文化』97号 1998年)
3. スサノヲと植物仮装来訪神 PDF
(大和書房『東アジアの古代文化』108号 2001年)
4. 道祖神と近親相姦
(角川書店『怪』18号 2005年)
本文: PDF
注釈: MHT
ついでにそれぞれの内容を、簡単に紹介しておこう。
「吊手土器の象徴性」
論文では「吊手土器」だが、普通は「釣手土器」と書く。実はこれ、最初は手書きの論文だったので、一回一回「釣」と書くのが面倒になり、画数の少ない「吊」を使ったのだ。
釣手土器は、お祭用の縄文土器である。非常に凝った細工がほどこしてあるが、文様が抽象的なので、どういう意味があるのか一見わからない。で、それぞれの文様の意味を考えてみた。「ぱっと見の印象」とかのあてずっぽうではなく、一応それなりに根拠がある。
「スサノヲと植物仮装来訪神」
植物仮装来訪神というのは、造語である。秋田のナマハゲのように、植物を身にまとった来訪神(決まった時期に人里を訪ねてくる神)のことだ。日本神話のスサノヲは、もともとこの種の来訪神だったんじゃないの、という仮説を唱えている。
「道祖神と近親相姦」
道祖神(境界の守護神)について、いろんな角度から考えてみたもの。都合7本(序文と結語を含めれば、9本)の論文からなるので、割と長い。自分では、特に「I 誰がサヨヒメを殺したか」と「V 盲僧と境界」、「VI 諏訪のミシャグチ」あたりが、いまでもかなりいいと思う。
なお、プロフィールの「川谷真」は、管理者(=私)の本名だ。PDFを見れば、どうせ本名が書いてあるし、普通に公開することにした。