神話とか、古代史とか。

日本をはじめあちこちの神話や古代史、古代文化について、考えたこと、わかったこと、考えたけどわからないことなど。

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

釣手土器の話 3 - 縄文土器とイザナミ神話

縄文時代の中期だから、いまからだいたい5000~4000年くらい前のことだ。関東・中部地方、特に長野県で、「釣手土器」というちょっと変わった土器がつくられた。 ランプとして使われていたようだが、実用品ではなく、お祭の道具とみられている。全体豪勢な土…

道祖神の話 1 - 章ごとの内容

「はじめに」にも書いたが、「道祖神と近親相姦」には論文が7つ入ってて、長い。その内容を数行でまとめるのはちょっと無理なので、ここでくわしく紹介しておこう。ちなみに()内の数字は、『怪』誌上のページ番号だ。 I 誰がサヨヒメを殺したか(79-85) …

久々の論文

いずれ「はじめに」に追記する予定だが、まずは報告を。 去年投稿した論文が、『比較民俗学会報』169号に載った。「ワカヒコ - タカヒコネ神話と昔話」というタイトルだ。 『古事記』『日本書紀』には、「アメワカヒコ」と「アヂスキタカヒコネ」という神々…

釣手土器の話 2 - 棚畑土偶、但し書き

前回、棚畑土偶(いわゆる「縄文のビーナス」)をとり上げた。この土偶については、少し補足することがある。実はこれ、完全に欠けたところのない状態で見つかったというわけではない。 図1は、棚畑土偶が出土したときの写真である。たしかにほぼ完形ではあ…

釣手土器の話 1 - 文様を読んでみる

「吊手土器の象徴性」(「はじめに」を参照)は簡単に言えば、縄文土器の文様の意味を解読しようという試みだ。解読と言っても、暗号や古代文字を読むわけではないから、実はそれほど難しくない。たとえばの話、月見松遺跡(長野県伊那市)から出た「顔面把…