2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧
釣手土器の上にはだいたいにおいて、変なヘビたちが乗っている。中でも特に変なのは、北原遺跡(山梨県甲州市)の釣手土器(図1)だ。第19回以来何度かとり上げてきたが、あらためてフィーチャー*1してみよう。 図1 北原出土*2 図1でおわかりの通り、どうい…
『比較民俗学会報』171号に、「ウケヒと『競争的単性生殖』の神話」という論文を発表した。今年2本目の論文だ。 『古事記』『日本書紀』には、「アマテラスとスサノヲの姉弟が、『ウケヒ』という呪術でそれぞれ子をつくり、その結果で優劣を決める」 という…
札沢遺跡出土の釣手土器(図1)には、ノヅチ(ツチノコ)関係でこのところお世話になっている。今回はヘビだけでなく、土器全体のデザインに注目してみよう。 図1 札沢出土*1 釣手土器の裏側(窓が複数ある方)は、たいてい「目ばかりの顔」になってると、こ…
釣手土器の話と題してるが、今回は釣手土器あまり関係ない。八雷神の1柱である「野雷」をノヅチと読んで、いいのか悪いのかという話だ。 まず、岩波文庫の『日本書紀(1)』を見ると、普通に「のつち」とルビが振ってある(54ページ)。厳密にはノヅチじゃな…