2018-01-01から1年間の記事一覧
前回の兵馬俑に続き、中国の遺跡を2つ紹介する。 ⑤ 万里の長城(中国) 画像URL謎度: ☆びっくり度: ☆☆☆☆☆古さ: ☆☆☆知名度: ☆☆☆☆☆ 中国(中華文明圏)は長いこと、北から侵入してくる遊牧騎馬民族に悩まされてきた。で、これを防ぐためのバリケードが万里…
12月9日、「比較民俗学会」の大会で発表することになってる。去年は松阪市(三重県)だったが、今回は名古屋。 お題は「ヤマトタケルと犬」。たまたまだが、名古屋と言えば熱田神宮もあるし、タケルとは何かと縁が深い。
クラスCの第2回目は、「③サン=アグスティン(コロンビア)」と「④兵馬俑(中国)」の2つ*1。 ③ サン=アグスティン(コロンビア) 画像URL謎度: ☆☆☆☆☆びっくり度: ☆☆☆☆古さ: ☆☆知名度: ☆ 1970年代にNHKで放送された「未来への遺産」ではとり上げられて…
「世界の七不思議」の候補を挙げてくのも、クラスBまで終わったので、ここからはクラスCである。クラスA・Bの間には、実質的な差はなかった。でもクラスCについては、それぞれ「七不思議」候補として、ちょっと推しにくい理由がある。でも捨てがたい魅力もあ…
今回とり上げる「世界の七不思議」候補は、「⑥エル=ミラドール」(グアテマラ)と「⑦カルナック列石」(フランス)、「⑧ネムルト=ダウ」(トルコ)の3つ。クラスAの10候補に続き、クラスBの8つもこれで終了だ*1。 ⑥ エル=ミラドール(グアテマラ) 画像UR…
「七不思議」候補(クラスB)*1の第2弾は、④のナン=マドールから(第1弾はここ)。 ④ ナン=マドール(ミクロネシア連邦) 画像URL謎度: ☆☆☆☆☆びっくり度: ☆☆☆☆☆古さ: ☆☆知名度: ☆☆☆ ミクロネシアの島の1つ、ポンペイ島(ポナペ島とも)の遺跡である。…
「世界の七不思議」候補のうち、ここからは「クラスB」を紹介していこう。ちなみにクラスBと言っても、「クラスA(第2回と3回参照)よりもしかして、異論が出やすいか?」 くらいの話で、遺跡としての質が劣るとかそういうアレではない。 クラスBの顔ぶれは…
「七不思議」候補(クラスA)*1のうち、後半は⑥のボロブドゥールから(前半はここ)。 ⑥ ボロブドゥール(インドネシア) 画像URL謎度: ☆☆☆びっくり度: ☆☆☆☆☆古さ: ☆☆知名度: ☆☆☆☆ ジャワ島の仏教遺跡である。いまはボロブドゥールだが、昔はよく「ボロ…
ここからしばらく、「七不思議」の候補を並べて品評してみたい。数が多いので、一応「クラスA・B・C」の3つに分類した。 で、まずクラスAの顔ぶれは次の通りである。 ① ナスカの地上絵(ペルー)② イースター島(チリ)③ マチュピチュ(ペルー)④ ストー…
ここにも書いたが、この春『説話・伝承学』26号に、「東と西の『影鰐型』説話」という論文を発表した。「2017年以降の論文」ページに置いとくので、興味のある人は(ない人も)ダウンロードしてもらえると、精神衛生上助かる。 「影鰐型」とは、たとえばこん…
ここらでちょっと趣向を変えて、「新版・世界の七不思議」というのを考えてみたい。要は、これまで発表された「世界の七不思議」にいろいろ不満があるので、自分的に納得いくものを選定したいという話だ。あるいは世界の遺跡について、「ああでもない、こう…
図1 山形のカセ鳥*1 図2 佐賀のカセドリ*2 前回、「カセドリ」と呼ばれる来訪神たち(図1・2)が、鳥とみなされてることに触れた。最後にもう少し、この件について補足しておこう。ここへ来て、スサノヲとあまり関係ない話題でしめるのもちょっとどうかと思…
スサノヲと植物仮装来訪神についてはあらかた語り終えたので、多分次あたりで終わりである。日本をはじめ、あちこちの仮面・仮装来訪神たちに登場願ったが、もちろんこれで全部ということはない。せっかくだから、ここまでにとり上げきれなかった来訪神たち…
東京国立博物館(平成館)で9月2日まで、特別展「縄文―1万年の美の鼓動」をやっている。東京に用があったついでに見てきたので、その感想を。ちなみにこの展示は巡回しないから、東京行かないと見られない。 さすが国立と言うべきか、日本中から容赦なく、優…
ここまでは、植物に仮装する来訪神ばかりとり上げてきた。でも来訪神の中には、動物に仮装するタイプも少なくないのである。 図1 熊男(右は「苔男」)*1 図2 ギッゲラー*2 図3 クケリ*3 たとえばオーストリアのブロッホツィーエン(丸太引き)という祭には…
「スサノヲ=植物仮装来訪神」説に有利な神話として、第7回から11回までに、以下の物語をとり上げてきた。 1. スサノヲ本人が植物と、直接結びついている話(第7回)・スサノヲが木をつくる話――『日本書紀』・草を束ね、蓑と笠にする話――『日本書紀』・木の…
蘇民将来伝説(第11回)や「厄病神」(前回)は要するに、「神々が人里を訪ねたとき、冷たくした者は罰を受け、もてなした者は(それなりに)報われる」 という話である。日本の昔話研究では、この手の物語は「大歳の客」と呼ばれている。たとえば沖縄本島に…
蘇民将来伝説(前回参照)のスサノヲは、茅の輪を着けてない人間を、ひと晩で全滅させている。どうやって殺したかは書いてないが、すぐ後に、「疫病が発生したときは、茅の輪を着けろ」 とのセリフがある。ということはこのときも、疫病でさくさく殺したのだ…
「『スサノヲ=植物仮装来訪神』説に有利な神話を挙げていこう」シリーズもこれで5回目だ。最後にとり上げるのは、「蘇民将来」の神話である。これだけは、『古事記』『日本書紀』や『出雲国風土記』じゃなくて、『備後国風土記』の逸文に出てくる。 ちなみ…
ここで予告した通り、説話・伝承学会の春季大会で発表してきた。「兄妹始祖の『物めぐり』」という例のアレだ。 始祖神話には、兄妹で結婚する話がちょいちょいある(洪水で人類があらかた滅んでるから、仕方ないのだが)。そういう兄妹は結婚前に、柱とかの…
久々にスサノヲの話である。今回とり上げるのは、スサノヲによる「オホゲツヒメ殺し」の物語だ。『古事記』によれば、事件の概要はこんな(↓)感じ。 天界から追放されたスサノヲは、オホゲツヒメという女神に「喰い物くれ」と言った。オホゲツヒメは、鼻の…
来月、「説話・伝承学会」の春季大会で発表する予定になっている。タイトルは、「兄妹始祖の『物めぐり』」という。天理大学でやるそうだが、行ったことはない。割と久々の関西だ。 あと、また論文を発表した。「『物言わぬ子』と異類婿」というタイトルで、…
「『スサノヲ=植物仮装来訪神』説に有利な神話を挙げていく」シリーズ第3弾は、「スサノヲと根の国との結びつきを物語る神話」だ。ちなみに「根の国」とは、要するに死後の世界である。「その根の国と、植物仮装来訪神になんの関係が?」 という点は、おい…
前回に続き、「スサノヲ=植物仮装来訪神」説に有利だなぁ、と思える神話を挙げていこうという話である。今回はその第2弾、「スサノヲと植物との結びつきが、間接的にうかがえる」神話特集だ。要するに、スサノヲの関係者(特に子供たち)には、植物神・穀物…
だいぶ遠回りした気がするが、ここからスサノヲの話である。そもそもこの「スサノヲとナマハゲ」は、「スサノヲは、本来暴れん坊の英雄とかじゃなく、植物で仮装するタイプの来訪神だった!」 と、主張するためのコーナーだ(第2回参照)。 この主張を裏づけ…
「植物仮装来訪神の共通点」(くわしくはこちら)シリーズ第3弾、「秘密結社、または男子結社を構成する」の話である。第1弾は第4回、2弾は第5回でやったので、未読の方は参照されたい。 秘密結社という言葉には、男の子の男の子心(←?)を刺激する何かがあ…
前々回からしつこく書いてるが、植物仮装来訪神たちの共通点は次の3つである。 1. 「祖霊」、または「死霊」とみなされている。2. 子供に対して教育的(むしろ、脅迫的?)な機能をもつ。3. 秘密結社、または男子結社を構成する。 今回はその2つ目、子供の教…
世界の「植物仮装来訪神」には、 1. 「祖霊」、または「死霊」とみなされている。2. 子供に対して教育的(むしろ、脅迫的?)な機能をもつ。3. 秘密結社、または男子結社を構成する。 という共通点があると、前回で書いた。ここからしばらく、これらの特徴を…
前回に続き、スサノヲと「植物仮装来訪神」の話である。ここで一応、植物仮装来訪神なるものを定義しておくと、「植物(主に葉と茎の部分)で、体の大半を覆った来訪神」 ということになる。 図1 ボゼ*1 たとえば日本では、悪石島(鹿児島県)のボゼ(図1)…
「スサノヲと植物仮装来訪神」という論文(くどいようだが、「はじめに」からダウンロードできる)のキモは、ざっくりまとめるとこういうこと(↓)になる。 一見よくわからん神であるスサノヲだが、その一番コアになる性格は、「植物仮装来訪神」としての顔…