新版・世界の七不思議 12 - ここで7つに絞ってみる
クラスAからCまでの「七不思議」候補をおさらいしておくと、こんな感じである(↓)。
A. 第2~3回
① ナスカの地上絵(ペルー)
② イースター島(チリ)
③ マチュピチュ(ペルー)
④ ストーンヘンジ(イギリス)
⑤ ギザのピラミッド(エジプト)
⑥ ボロブドゥール(インドネシア)
⑦ アンコール=ワット(カンボジア)
⑧ グレートジンバブエ(ジンバブエ共和国)
⑨ テオティワカン(メキシコ)
⑩ ティワナク(ボリビア)
B. 第4~6回
① マルタ島の巨石神殿(マルタ共和国)
② モヘンジョ=ダロ(パキスタン)
③ カッパドキアの地下都市(トルコ)
④ ナン=マドール(ミクロネシア連邦)
⑤ ギョベクリ=テペ(トルコ)
⑥ エル=ミラドール(グアテマラ)
⑦ カルナック列石(フランス)
⑧ ネムルト=ダウ(トルコ)
C. 第7~11回
① クノッソス宮殿(ギリシャ)
② ペトラ(ヨルダン)
③ サン=アグスティン(コロンビア)
④ 兵馬俑(中国)
⑤ 万里の長城(中国)
⑥ 三星堆遺跡(中国)
⑦ オルメカの巨石人頭像(メキシコ)
⑧ 飛鳥の石造物(日本)
⑨ メスカルティタン(メキシコ)
⑩ グラストンベリ=トール(イギリス)
全部で28ヵ所あるわけだが、クラスCはA・Bにくらべ、いろんな理由でワンランク落ちる。ここから選ぶわけにもいかないから、実質A・Bの18候補から、7つに絞ろうという話だ。ただこの18ヵ所は、
「もういっそ、『世界の18不思議』でもよくね?」
などと言いたくなるくらいには甲乙つけがたい。そこでさしあたり、「この7つで決まり」というのではなくて、いくつか案を示すということにしたい。
まず「A案」、「どちらかと言うと知名度重視」で選ぶと、次のようになる。
A案
① ナスカの地上絵(ペルー)
② イースター島(チリ)
③ マチュピチュ(ペルー)
④ ストーンヘンジ(イギリス)
⑤ ボロブドゥール(インドネシア)
⑥ アンコール=ワット(カンボジア)
ちなみに①~⑦の並び順は、単にブログで紹介した順で、特に意味はない。グレートジンバブエ(第3回)の代わりにギザのピラミッドを入れてもよかった気もするが、ピラミッドが王の墓なのはほぼ決まりである(第2回参照)。謎の要素がやや少ないから、泣く泣くはずした。
過去の「七不思議」選考でも、何度か選ばれた遺跡が多く、まずは順当な顔ぶれだと思う。
次に「B案」は、古さ重視で選んでみた。
B案
① ナスカの地上絵(ペルー)
② イースター島(チリ)
③ ストーンヘンジ(イギリス)
④ ボロブドゥール(インドネシア)
⑤ グレートジンバブエ(ジンバブエ共和国)
⑥ テオティワカン(メキシコ)
⑦ ティワナク(ボリビア)
マチュピチュとアンコール=ワットは、ともに時代が新しいから(それぞれ、15世紀と12世紀。第2・3回参照)、この場合ははずした。イースター島のモアイも新しいが(多分13世紀)、人が定住した時期がそもそも遅いから、例外とする(第2回参照)。特にテオティワカン(第3回)を「七不思議」に入れないのは惜しい気がするし、これも充分にアリだろう。
次に問題にしたいのは、ボロブドゥールを入れといていいか? ということだ。これは要するに仏教遺跡であり(第3回)、謎の要素は多くはない。「謎度」を重視するなら、ピラミッドと同じくはずした方がいいという考え方もある。
そこで考えたのが、「謎度重視」のC案だ。
C案
① ナスカの地上絵(ペルー)
② イースター島(チリ)
③ ストーンヘンジ(イギリス)
④ グレートジンバブエ(ジンバブエ共和国)
⑤ テオティワカン(メキシコ)
⑥ ティワナク(ボリビア)
⑦ ナン=マドール(ミクロネシア連邦)
ナン=マドール(第5回)を入れたのは、「子供のころから好きだから、なんか捨てがたい」という思い入れが大で、ぶっちゃけ客観的な根拠はない。強いて言えば、世界中どこにも似たものがないユニークさが売りだ。
ちなみにC案には、碑文や古文書(解読済み)のある遺跡が1つもない。文字がないと、未解明の部分が格段に多くなるわけで、たしかに謎度は強目である。
この3つでだいたいいいと思うけど、ストーンヘンジ(第2回)についてはちょっと、考える余地がないでもない。いわゆる「巨石文化」を代表する遺跡として選んだわけだけど、マルタ島の巨石神殿やカルナック列石(ともにクラスB。第4回と第6回)だって、ストーンヘンジに劣るものじゃない。巨石遺構から1つ選ぶなら、むしろギョベクリ=テペじゃないか? ということで、次のD案も考えてみた。
D案
① ナスカの地上絵(ペルー)
② イースター島(チリ)
③ グレートジンバブエ(ジンバブエ共和国)
④ テオティワカン(メキシコ)
⑤ ティワナク(ボリビア)
⑥ ナン=マドール(ミクロネシア連邦)
⑦ ギョベクリ=テペ(トルコ)
ギョベクリ=テペは、知名度はまだいまいちだが、歴史的重要性ということで言えば、世界一と言ってもいいと思う(第5回参照)。これをはずすなどあってはならんことだ、と主張する人がいても全然おかしくない。
で結局、A~D案の中ではどれが一番いいか? と言いたいところだが、これはもう正直、どれでもいい。この4つの中からならどれを出されても、私的には充分納得だ。というわけで、当ブログが提案する「新版・世界の七不思議」は、「A~D案のすべて」である*1。
ここまでやっといて、結局はそれか! と怒られそうだけど、そもそも「七不思議」に唯一の正解はない。
「本当の『七不思議』? それはね、君たち1人1人の心の中にあるんだよ」
とか、そういうダメな大人のアレも、この場合はいいんじゃなかろうか。
やってみて改めて思ったが、「世界の七不思議」について語るのは楽しい。呑み屋とかでも、「ギザのピラミッドははずせないだろ~」「モヘンジョ=ダロこそ至高!」などと、酔漢同士で盛り上がる世の中になればいいと思う。
このシリーズ、これで終わってもいいのではある。ただそれぞれの遺跡についてはちょっとずつ、語り残したことがないでもない。今後はそれを細々と(思い出したときにでも)書き足していこうという気でいる。
*1:「俺の案はこうだ」というのがあれば、コメント欄とかで教えてもらえると助かる。